アマミノクロウサギの交通事故死 去年は175件

鹿児島県の奄美大島と徳之島だけに生息する国の特別天然記念物のアマミノクロウサギが交通事故で死んだケースは、去年は175件に上り、奄美大島では5年連続で過去最悪を更新しました。

これは9日、奄美市役所で開かれた「奄美希少種検討会」で環境省が発表しました。

それによりますと、去年1年間で交通事故で死んだアマミノクロウサギは、奄美大島で147匹、徳之島で28匹の合わせて175匹で、奄美大島では5年連続で過去最悪を更新しました。

世界自然遺産に登録されている奄美大島と徳之島だけに生息するアマミノクロウサギは、天敵のハブなどに襲われないよう、夜間、見通しのきく道路でふんをする習性があり、この際に事故にあうことが多いと見られています。

環境省は交通事故が増加している原因について、マングースの駆除や野生化した飼い猫の対策などが進み、ウサギの個体数が増えていることのほか、スピードが出やすい道路での事故が多い傾向にあることなどが考えられるとしています。

環境省は、島内での夜間の運転に注意してほしいと呼びかけています。

環境省 奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「島に住んでいるひとりひとりが、夜はスピードを落として走るということを気にかけてもらうことで、事故を減らすことができると思います。ぜひそういう運転を心がけてほしいです」と話しています。